少子高齢化となった日本!
65歳以上の高齢者の割合は20%を超え、さらに今後この割合は増え続ける見込みで、世界でトップ、まさに王、王道まっしぐらである。
これから高齢者のための施設は、もっと必要となることは確かだ。
福祉施設は数多くあるが、老人福祉施設は数が必要となる王である。
早速王について勉強だ!
ボランティアで老人福祉施設を掃除させていただく機会を得た。
外から見ると手作りの飾り付けが、窓に張ってあるのが見えて学校のようである。
始めに王に仕える執事から説明があった。
「この福祉施設は病院と家庭の架け橋となる役割をしています。掃除中、施設の中にいる人に話しかけられることもあると思いますが、知らない顔をして掃除をつづけてください。」
そうおっしゃるとバケツと雑巾を渡された。
一見綺麗だが窓の隙間など汚れているところはたくさんあった。
天気もよく掃除がとても気持ちよかった。皆さんがいらっしゃる大広間にはたくさんの作品が掲示してあり、切り絵などとても力強い芸術品が所狭しと並んでいた。
施設は時間でやることが決まっているらしく、今はみんなで風船でバレーボールをされていた。働いていらっしゃる方々も上手にコミュニケーションをとっておられて、とても楽しそうにされいた。
エレベーターや扉にはボタンの隣に、また謎のボタンがあり、これを順番に押さないと動かないようになっている。
バレーボールが終わるとお茶の時間。時間がとてもゆっくり流れている感じがした。
気になったのは、働いていらっしゃる方が女性が多いこと、それも若くて綺麗な人が多い。お茶の時間は恋愛話が聞こえてきた。
「出雲大社に独りでお参りにいったらいい人が現れるって聞いたけど。」「伊勢神宮でもいいらしいで!」「コンパ行きましょうね。」などなど、楽しそうな話も聞こえてくる。ここで女の子に話しかけようかどうか迷った結果、お腹が痛くなった。
僕はトイレに入った。そこでお茶の時間が終わった。
「お茶の時間終わりです。みなさーん、トイレは大丈夫ですか?」
一番近いトイレに入っていたので、すぐにノックされた。
しかし、王の執事から話しかけられても知らない顔をするように指示があったことを思い出した。
「誰か入ってる!」外から声が多数聞こえた。
大変なことになった。僕は、まだ出そうなのを諦め、急いでトイレを出た。
行列が出来ていた。
「申し訳ございません。」約束を破り、謝った。そんな僕をみんなは優しく迎えてくれた。
王は優しいのだ。
僕は、そのあと、いっそう掃除に励んだ。